耐火物製造の現場はどうなっているの?岡山工場の歴史と設備【後編】
耐火物のトップメーカーとして国内に広く生産・営業拠点を展開している品川リフラ。丸の内に本社を置き、耐火物の生産拠点として湯本工場(福島県いわき市)、岡山工場(岡山県備前市)、赤穂工場(兵庫県赤穂市)など全国6カ所に工場を設けています。その中でも岡山工場は最も多くの定形耐火物を製造しており、一部の製造室でのフルオートメーション化や、安全教育のための危険体感訓練所を備えるなど、国内の耐火物業界でも最先端の設備を誇っています。
前回記事:耐火物製造の現場はどうなっているの?岡山工場の歴史と設備【前編】
先進的な福利厚生制度と、社員の意欲を引き出すユニークな試み

「会社で働く従業員を大切にする」
このモットーは創業者であり初代社長の西村勝三より受け継がれたもので、品川リフラでは、前身企業である品川白煉瓦の時代から社員の教育制度や福利厚生の充実に力を入れてきました。
1887年、まだ社会保険制度という概念が根付いていなかった明治初期の日本で、西村が白煉瓦共濟會を設置し、慶弔金の支給や休業補償、退職後の生活保障を図ったことは非常に先進的な取り組みでした。また1940年には健康保険組合を設立し、1956年には岡山大学医学部に依頼して初代工場医を迎えるなど、従業員が安全な環境で安心して働けるように尽力しました。
働きやすい環境作りは生活支援にとどまらず、そこで働く人々の意欲向上のために実施したユニークな制度もありました。それが、1955年に岡山工場で導入された工夫改善提案制度です。これは生産性の向上を図るため、従業員が積極的に各自の創意工夫を活かせるようにとの目的で制定され、従業員からの提案を委員が審査して等級を決定し、優れた提案には賞金を与えて表彰するというものでした。また、1959年には発明考案制度に関する規定を導入し、技術研究の内容に応じて特許を申請し、実績に応じて上司が認定する表彰を実施していました。(※現在この制度は改定されています。)
充実の設備とサービスで人気の独身寮

現在の品川リフラにおける、社内部活動、財形貯蓄制度、誕生日休日といった各種の福利厚生の中でもとりわけ若年層に人気があるのは、月に2,000円という破格の家賃で入居できる独身寮です。地域や事業所によって自社物件、借り上げ物件の違いはありますが、全国に点在する工場や研究所の周辺に住居を確保しています。

岡山工場周辺に勤務する社員のための殿土井寮は2022年に竣工した最新の独身寮で、駐車場や屋根付き駐輪場、宅配ボックスも完備し、オートロック付きの玄関に敷地内のごみステーションなど、便利に暮らすためのサービスが充実しています。

フリースペースとしても使用可能な食堂では、スマホアプリから事前に予約をすることで作りたての朝食(1食220円)と夕食(1食440円)を食べることができます。受け取り時間に間に合わない場合でも、共用の冷蔵庫に食事を保管できるなど、利用者が使いやすいように最新システムを導入してきめ細かいサービスを提供しています。

男女別に分かれている居住スペースは、6畳の部屋に独立洗面台を完備し、風呂トイレ別、エアコン付き、冷蔵庫・洗濯機置き場ありなど、一般賃貸物件と遜色ない条件が揃っています。
理系の先輩に聞いてみた!コラムでも言及されているように、大規模な敷地を要する工場や、実験スペースの確保と周辺環境への配慮が求められる研究所には広大な土地が必要なことが多いので、郊外に設置されるケースがほとんど。周辺で賃貸住宅が見つけにくいこともあるため、たとえ慣れない土地への赴任であっても社員がスムーズに生活を始められるように、こうした寮の整備にも取り組んでいます。
