img
img
img

REFRACTORIES COLUMN
耐火物COLUMN

耐火物製造の現場はどうなっているの?岡山工場の歴史と設備【前編】

2025.08.19
#耐火物
#安全・安心
#品川リフラクトリーズ

耐火物製造の現場はどうなっているの?岡山工場の歴史と設備【前編】

耐火物のトップメーカーとして国内に広く生産・営業拠点を展開している品川リフラクトリーズ。丸の内に本社を置き、耐火物の生産拠点として湯本工場(福島県いわき市)、岡山工場(岡山県備前市)、赤穂工場(兵庫県赤穂市)など全国6カ所に工場を設けています。その中でも岡山工場は最も多くの定形耐火物を製造しており、一部の製造室でのフルオートメーション化や、安全教育のための危険体感訓練所を備えるなど、国内の耐火物業界でも最先端の設備を誇っています。

西日本における耐火物製造の中核を担う岡山工場

そんな岡山工場の歴史は古く、成り立ちは大正時代に遡ります。

当時、装飾れんが製造の有力企業であった日本窯業と1916年に合併し、同社の所有していた備前支社を伊部工場として改め、稼働させたことが現在の岡山工場の始まりでした。1928年に岡山第2工場、1939年に岡山第3工場を建設し、生産能力を高めるとともに製造工程の標準化にも努めました。その後、1953年に日本工業規格(JIS)指定工場として認定されたほか、現在ではISO9001:2015とJIS Q 9001:2015 規格認証を取得しています。 

西日本では岡山県に3カ所、兵庫県に1カ所ある工場のうち、要となる岡山工場は第1から第4までの4つの製造室から成り、それぞれ異なる耐火物を製造しています。超高圧力の5000t真空油圧プレスを備えた第1製造室では、鉄鋼用耐火物の主力であり、1,600度以上の高温にも耐えられるマグネシア・カーボン質れんがを生産しており、その生産量は月平均で約2,000トンと、業界屈指の生産性を有しています。

世界最新鋭の品質管理システムによるオートメーション工場

岡山工場の第4製造室は、業界初となる秤量から混錬・成形・輸送・焼成・梱包までの全工程を自動化した製造プラントであり、マグネシア系の各種塩基性耐火物を生産しています。ここでは製鉄業に向けた製品だけでなく、非鉄、セメント、焼却炉、石灰炉等の製造を行い、幅広い業種のお客様に耐火物を供給しています。

オートメーションの対象は多岐にわたり、ロボットと自動搬送車の導入、機械セッティングの自動化など徹底した機械化で作業を自動化し、安全性を確保するとともに省人化も成功させました。

また、コンピューター統合生産管理システムと優れたファクトリー・オートメーション・システムによって正確な生産指示とデータ収集のオンライン化を行い、自動検査装置によって全製品の検査を実施し、万全の品質管理体制を構築しています。

工場の生産機能を整備することに加えて、周辺環境や自然に配慮し大きな緑地庭園を設けるなど、クリーンな職場環境づくりにも力を入れている岡山工場。

建屋をはじめとしたレイアウトの工夫や、低騒音型装置の採用など細部において騒音対策を施しているほか、高性能な集塵システム、環境に優しい都市ガスの採用、冷却水の循環使用によって工場排水をゼロにするなど、多彩なアイデアを用いて環境と人に配慮した設計を行っています。